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生活経済3月5日· 8分で読める

米国とイスラエルによるイラン攻撃から1週間――「安全資産」の検索数が急増しています。でも金・ドル・国債・円、結局どれを買えばいいのか、整理された情報は意外と少ないですよね。

この記事では、過去の地政学危機での実績データをもとに、2026年3月時点の利回り・手数料・少額アクセス方法まで一覧で比較します。

比較表

金(ゴールド)9/11: +6% / ウクライナ: +11%—(値上がり益のみ)約1,000円〜(ETF)信託報酬 0.17〜0.44%
米ドル預金9/11: +2% / ウクライナ: +7%(対円)年4.0〜5.0%前後1ドル〜為替手数料 片道4〜25銭
米国債ETF(2621)9/11: +3% / ウクライナ: -8%(金利上昇局面)分配利回り 約4.05%約1,100円(1口)信託報酬 0.154%
日本円(現金)9/11: +5%(対ドル)/ ウクライナ: -10%普通預金 0.1〜0.35%
スイスフラン9/11: +4% / ウクライナ: +3%1CHF〜為替手数料 片道50〜80銭

「有事の金」は本当か?過去データが示す意外な弱点

地政学リスクが高まると、最初に名前が挙がるのが金です。実際、2001年の9/11では30日で約+6%、2022年のウクライナ侵攻では1,800ドルから2,050ドルへ約+11%上昇しました。2026年3月現在、国際金価格は1オンス2,900ドル超、国内店頭価格は1gあたり約28,000円と過去最高圏です。

ただし反直感的な事実が1つあります。今回の米イラン衝突直後、金価格は一時的に大幅下落しました。理由はドル高と米長期金利の上昇。有事でも金利が急騰する局面では、利息のつかない金よりドル建て資産に資金が流れるのです。「有事=金が上がる」は正確には「有事+低金利=金が上がる」と覚えておくべきです。

実行ヒント: 金ETFなら【1328】NEXT FUNDS金価格連動型(信託報酬0.176%)が最低コスト。新NISA成長投資枠で非課税運用も可能です。

米ドル――「有事のドル買い」が復活した理由

2022年のウクライナ侵攻では「有事の円買い」が起きず、逆にドルが対円で+10.8%上昇するという現象が起きました。2026年3月の米イラン衝突でも同じパターンが再現し、ドル円は一時157円台後半まで円安が進行しています。

なぜ円ではなくドルが買われるのか。理由は3つです。

要因 内容
金利差 米政策金利4%超 vs 日本0.5%。金利差がドルに資金を引き寄せる
エネルギー構造 日本は原油純輸入国。原油高=貿易赤字拡大=円安要因
基軸通貨性 世界の決済の約40%がドル建て。混乱時ほどドル需要が増す

2026年3月時点で、ネット銀行の米ドル定期預金(1年)は年4〜5%台の金利がつきます。ソニー銀行なら為替手数料が片道4銭と業界最安水準です。

実行ヒント: 為替リスクを取りたくない人は、為替ヘッジ付きのドル建てMMFや外貨建て定期預金を検討しましょう。

米国債ETF――利回り4%時代の「守りの本命」

米国債は伝統的な安全資産ですが、2022年ウクライナ侵攻時には金利上昇で価格が下落しました。一方、9/11のような「金利低下を伴う危機」では30日で+3%と堅実なリターンを出しています。

2026年3月現在、東証上場の【2621】iシェアーズ米国債20年超ETF(為替ヘッジ付き)は分配利回り約4.05%、1口約1,100円から購入できます。為替ヘッジ付きなので円安・円高の影響を受けにくいのが特徴です。

注意点: 米国が当事者となる戦争では、財政負担への懸念から米国債が売られるリスクがあります。実際、今回のイラン攻撃後に米長期金利は上昇(=国債価格は下落)しました。「米国が攻撃する側」のときは米国債の安全性を過信しないことが重要です。

実行ヒント: 短期米国債ETF(iシェアーズ米国債1-3年【2620】)なら金利変動リスクが小さく、より安定的です。

円は安全資産から「脱落」したのか?

「有事の円買い」はかつて為替市場の常識でした。9/11では対ドルで30日で約+5%の円高が進みました。しかし2022年以降、この法則は崩れています。

2026年3月の米イラン衝突でも、円は買われるどころか157円台まで売られました。日経新聞によると、円が売られる構造的な理由は「日本がエネルギー純輸入国であること」と「日米金利差の大きさ」です。原油が1バレル75ドルを超えた状態が続けば、日本の貿易赤字はさらに拡大し、円安圧力が強まります。

ただし、日経の分析では「情勢のさらなる悪化でリスク回避の円買いが再開する可能性」も指摘されています。全面戦争に発展すれば、株式から逃避した資金が一時的に円に流れるシナリオはあり得ます。

実行ヒント: 円の安全性に賭けるより、資産の一部を外貨に分散する方が現実的です。

状況別・安全資産の配分ガイド

過去の危機データをもとに、想定シナリオ別の配分目安を整理しました。

シナリオ 米ドル資産 米国債 円キャッシュ
短期衝突(1-2週間で収束) 20% 30% 30% 20%
中期紛争(原油高継続) 30% 35% 15% 20%
長期戦争(世界経済停滞) 40% 20% 25% 15%

※上記は安全資産ポートフォリオ内の配分であり、全資産に占める安全資産比率は個人のリスク許容度により異なります。

ポイント: 原油高が続く中期紛争シナリオでは、ドル資産の比率を高めるのが過去のデータに基づく合理的な判断です。一方、世界経済全体が停滞する長期戦争シナリオでは、金の比率を最大にします。

少額から始める安全資産――ETF・アプリ別アクセス方法

「安全資産に分散したいけど、まとまった資金がない」という方向けに、1,000円〜1万円で始められる方法をまとめました。

資産 商品名 最低投資額 購入方法
【1328】NEXT FUNDS金価格連動型 約8,000円(1口) SBI証券・楽天証券など
金(積立) 三菱マテリアル GOLDPARK 月3,000円〜 公式サイト
米ドル ソニー銀行 外貨預金 1ドル(約158円)〜 ソニー銀行アプリ
米国債 【2621】iシェアーズ米国債20年超 約1,100円(1口) SBI証券・楽天証券など
分散型 eMAXIS Slim 全世界債券 100円〜 投資信託(ネット証券)

SBI証券や楽天証券なら、ETFの売買手数料が無料(新NISA枠内)です。

まとめ:3つのアクション

「有事=金」という単純な公式は、2022年以降通用しません。金利環境・エネルギー構造・戦争の当事者を考慮した配分が必要です。

今日できる3つのこと:

  1. 証券口座の確認 — SBI証券や楽天証券でETFが買える状態か確認。新NISAの成長投資枠が残っているかもチェック
  2. 金とドルに1万円ずつ分散 — 【1328】金ETF 1口+ソニー銀行で米ドル定期預金。合計1万円台から始められる
  3. 情報ソースをブックマーク日経の中東情勢ページSBI証券のマーケットレポートで最新状況を追う

※この記事は2026年3月6日時点の情報に基づいています。金融商品の価格・利回りは日々変動します。投資判断はご自身の責任で行ってください。この記事は投資助言ではありません。


出典

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